万年地獄堂

いつも最低 いつも最低最高最低

8/6

 

今日からしばらく実家に帰る。今日の情勢を見るに、帰省というのは控えた方が良いのでは、と自分でも思っているが、父母に電話で寂しそうにされるとそういうわけにもいかない気がしてくるのだ。ちょうどお盆シーズンど真ん中ではないのでどうか許してほしい。少しの着替えとトラベル用品、それからなんとなくでギターを持っていった。本当はゲーム機を持っていくつもりだったのだが、それだと永遠とゲームをしてしまう可能性があり、今年大学3年生で公務員志望であるならば勉学に励まなければならない。かといって息抜きも必要なので・・・というわけだ。つまり、なんとなくというのは真っ赤な嘘である。ついでに言うと俺はギターが弾けない。

 

外を出ると、でたらめな暑さに打ち負かされそうになった。今年は梅雨が長く、7月中はずっと曇りもしくは雨で、雨はインキャが考えたのだ、本当に気持ちが悪いなどと根も葉もない悪口を友達と言い合っていたのを思い出す。このうだるような暑さがやってくると、「俺たちの夏、始まったな」などと思うのだが、実際この暑さで、しかもマスクをしてまで外を出歩きたくないというのが毎年の思いで、結局いつも通り家に引きこもってばかりいるのだ。それでも熱が引いていくと「あぁ、今年も夏が終わってしまった。永遠に夏でいいのに」などと恋焦がれたりするのは、俺が夏生まれだからなのだろうか、前世はセミだからなのだろうか、知る由もない。

 


東京駅は人が相変わらず多い。来るのは久しぶりだろうか、駅の中も変わっているような気がした。前に利用したのはもう1年以上も前だった気がするので、なんの確証もない。かなり早めに到着したのにもかかわらず、そそくさと改札を通り椅子で座って待っていた。一つ空けて隣に座る男がなにやらじっとこちらを見つめていた。髪の長い男がギターケースを持っていたらそう疑うのもわかるが、残念ながら俺はバンドマンでもなんでもないただの大学生だ。おまけに足が臭く、風呂にはもう2ヶ月ほど入っていない。新幹線にはほとんど客がいなかった。それもそうだな、なんて思いつつ、人がいないことをいいことに無防備にだらしなく寝ている若い女を見て、ウヒョヒョwエッチだねぇなんて思ったりした。いよいよ東北へ差し掛かり、窓からの景色は山々に囲まれたまばらな家だけになってくる。こういった景色を見ると、「老後はこういう所でのんびりと暮らしたいなぁ」なんて思うのだが、父の実家に行くといつも思い出す、携帯の電波は届かないわどこから侵入したのかカメムシがやたらといるわ、外に出るとバカデカ虫がやたらと飛び交っているわで、そんな所に住むのは実際向いてないだろう。蝶以外の昆虫が死滅し電波もしっかり届いているのなら是非住まわせてほしいという所だ。田舎に夢を抱くなと言い聞かせた。

 

最近よく頭にあるのが、俺も早く"彼女"なる存在がうまいこと出来て、洒落た古着屋でド派手な柄シャツを買ってみたり、一人では到底入れないような喫茶店でクリームソーダを食べながらなんでもない話をしたいということ。「俺って性欲ないから笑」とか言いながら、実はバチバチに脳を性器に支配されているマッシュのキモキモ男が適当な女とやってそうである。それから、実は俺は幕末を生き抜いた剣客で、ひょんなことから現代にタイムワープしてしまい、時代錯誤に悩ませられながらも学園生活を送っていくというなろう小説のような妄想であり、こんなことを考えている22歳って俺だけ?と、さながらキリンジのエイリアンズのような気分に陥っているのである。ちなみにエイリアンズはこういうことを歌っているのではない(と思う)のだが、曲の解釈は本人達が言及していない限り人それぞれなので許してほしい。素麺はやはり揖保乃糸が美味しい。

 

そんなこんなで青森についた。相も変わらずクソ田舎で、何にもないところではあるが涼しいので良しとする。これから焼肉に連れていってくれるらしい。一人暮らしを始めると、牛の肉なんて物にはなかなかありつけないので、俺の中の食欲の悪魔が許す限りは食ろうてやろうと思う。お前ら、夏を楽しめ!!!!!!!!!          

                   以上